「土地家屋調査士になっても仕事がないって本当?」
「メリットやデメリットは?」
「どうやったら土地家屋調査士になれるの?」
このような悩みや疑問を抱えている転職者は多いのではないでしょうか。
土地家屋調査士は、専門性が高く将来性がある仕事のため、これから需要はあがると言われています。
ここからは、土地家屋調査士の仕事がないといわれている理由や、将来性について紹介します。
転職先に土地家屋調査士を選んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
土地家屋調査士は仕事がないのか
土地家屋調査士の仕事が無いといわれている理由は、景気の悪化にあります。
景気が悪化していることにより不動産関連の取引が減少し、活躍の場が減るのではと懸念されているからです。
たしかに、景気が悪いと土地のように高額な買い物をする人は多少減少するかもしれません。
しかし、新しい街の開発や土地の売買は景気が悪化している現在でも行われています。
さらに、これから相続による土地の売買や分筆が増えることが予想されています。
そのため、将来仕事が増える見込みがある仕事なのです。
また、土地家屋調査士の資格を保有している人は60代が最も多く、受験生も減っています。
そのため、これから資格を取得しても就職先に困ることはないでしょう。
土地家屋調査士の仕事内容
土地家屋調査士の仕事内容は主に以下の3つです。
- 土地の調査や測量
- 申請書の作成
- 土地の登録
土地の調査や測量が主な業務ですが、測量は測量士でも行えます。
しかし、土地の登録は土地家屋調査士しか行えない業務のため、仕事が無くなることはありません。
土地の調査とひとくくりにしても細かく分類するとやることはたくさんあります。
細かい業務内容は以下の通りです。
- 現場の調査
- 登録情報と差異が無いか確認
- 土地の測量
- 境界の確定
土地には必ず境界線があり、この境界線が曖昧だと現場を調査して隣接する土地の所有者と相談しなければなりません。
そのため、穏便に話がまとまるような交渉力も必要です。
土地家屋調査士と測量士の違いとは?仕事内容と試験内容で比較
土地家屋調査士に将来性がある理由
ここからは、土地家屋調査士に将来がある理由を3つ紹介します。
- 専門性が高く資格がないとできない仕事だから
- 機械やAIではできない仕事だから
- 土地の分筆や売却が多い傾向にあるから
それぞれ細かく説明します。
理由①専門性が高く資格がないとできない仕事だから
土地家屋調査士は専門性が高い仕事のため、資格がないと働けません。
土地の情報を登録するとき「表示に関する登記」という項目があります。
これは、土地家屋調査士にしか登録できない項目です。
また、土地や建物の大きさ、複雑な地形を正確に調査するためには、高度な測量技術が必要になってきます。
このように、専門的な知識が必要なため、土地家屋調査士の仕事がなくなることはないでしょう。
理由②機械やAIではできない仕事だから
土地家屋調査士の仕事はAIに任せることはできません。
土地家屋調査士の仕事には測量と書類作成以外に、土地の境界線を確定する仕事があります。
測量と書類作成はAIでも可能かもしれませんが、境界線を確定する仕事はAIには不可能です。
なぜかというと、境界線を確定するには、境界に接している所有者へ協力してもらう必要があるからです。
このような協力要請や説得はAIにはできないため、土地家屋調査士がなくなることはないでしょう。
理由③土地の分筆や売却が多い傾向にあるから
今後、土地の分筆や売却が増えるといわれています。
分筆とは1つの土地を分けて登録しなおすことです。
なぜ増えるのかというと、第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代が後期高齢者になりはじめているからです。
そうすると、高齢者が持っていた土地を分筆したり、売却したりすることが増えます。
この分筆や売却には土地の情報を登録しなおす必要があります。
土地の情報を登録するには土地家屋調査士が必要なため、今後も活躍できるでしょう。
土地家屋調査士が減少している理由
将来性のある土地家屋調査士ですが、資格保有者は減少傾向にあります。
ここからは、なぜ土地家屋調査士の数が減少しているのか理由を2つ紹介します。
- 難易度が高いから点
- 資格の認知度が低いから
それぞれ見ていきましょう。
理由①難易度が高いから
1つ目の理由は、試験の難易度の高さです。
土地家屋調査士試験の合格率は10%未満で、行政書士より難しいといわれています。
不動産関係の資格のなかで3番目に難しく、1発合格できた人はほんの一握りしかいません。
また、記述式が多く、問題数も多いです。
そのため素早く正確に問題を解く力が必要になってきます。
このように、難易度の高さが土地家屋調査士の人数減少の理由といえるでしょう。
理由②資格の認知度が低いから
2つ目の理由は、資格の認知度の低さです。
不動産関係の資格というと、建築士や測量士の認知度が高く、不動産関係ではない人でも知っている人は多いでしょう。
そのため、受験者も多い傾向にあります。
しかし、土地家屋調査士は認知度が低く不動産関係でも知っている人は少ないです。
そのため、就職先として土地家屋調査士を選ぶ人が少なく、人数が減少しています。
土地家屋調査士になるメリット・デメリット
ここからは、土地家屋調査士のメリットやデメリットを紹介します。
- メリット
- デメリット
土地家屋調査士になるとどんなメリットやデメリットがあるのでしょう。
メリット
認知度が低い土地家屋調査士ですが、様々なメリットがあります。
主なメリットは以下の3つです。
- 年収が高い
- 転勤や異動がない
- 仕事がなくなることがない
細かく紹介していきます。
メリット①年収が高い
1つ目のメリットは、年収の高さです。
土地家屋調査士の平均年収は600万円前後で、平均的なサラリーマンの年収より高いです。
また、東京や名古屋など人口が多いところはさらに年収が高い傾向にあります。
しかし、就職する会社が大手か小さな事務所かによって年収は変わるでしょう。
メリット②転勤や異動がない
2つ目のメリットは転勤などの異動が少ないことです。
土地家屋調査士の仕事は土地の特性に寄り添う仕事が多くあります。
そのため、地元から離れたくない人や転勤したくない人におすすめです。
メリット③仕事がなくなることがない
最後のメリットは、仕事がなくならないことです。
表示に関する登記は法律で義務づけられているため、法律が変わらない限り仕事が無くなることはありません。
さらに、表示の登録ができるのは土地家屋調査士だけのため、ほかの職業と争うこともありません。
デメリット
年収の高さや仕事の安定性など、メリットが多い土地家屋調査士ですが、デメリットもあるはずです。
ここからは、土地家屋調査士のデメリットについて紹介します。
- 屋外での肉体労働が多い
- 土地家屋調査士試験が難しい
- 繁忙期があり忙しい
試験を受ける前にデメリットも知っておきましょう。
デメリット①屋外での肉体労働が多い
土地の調査や測量は屋外で行う作業のため、肉体労働が多いです。
とくに夏や冬、雨が降っているときはしんどいでしょう。
さらに、測量を行う場所のなかには森や山のようにたどり着くだけでも大変な場所があります。
体力が無いとすぐに疲れてしまったり、日焼けしやすかったりするため、空調の効いたオフィスで仕事したい人にはおすすめできません。
デメリット②土地家屋調査士試験が難しい
土地家屋調査士になるためには国家試験に合格しなければなりません。
試験は難しいため、なかなか合格できなくて数年経ってしまったなんてこともあり得ます。
試験内容は行政書士よりも難しく、1発で合格できる人は少ないでしょう。
さらに、試験を受験するのは社会人がほとんどです。
そのため、仕事と勉強の両立が難しくて挫折してしまう人もたくさんいます。
デメリット③繁忙期があり忙しい
土地家屋調査士には繁忙期があります。
繁忙期中はとても忙しく、早朝から深夜まで勤務が続くことがあり、土日出勤も稀です。
繁忙期は会社によって異なりますが、どの会社に就職しても必ずあると考えておきましょう。
さらに、一般的なサラリーマンより1件の仕事に対する金額が大きく、大型案件は数百万円になることもあります。
繁忙期はそのような大型案件が何件も重なって依頼が来るため、同時に複数の案件を進めるスキルが必要です。
土地家屋調査士になるためには
土地家屋調査士になるためには、国家試験に合格する必要があります。
試験は毎年10月頃にあり、択一式や記述式のテストに合格すると口述式の試験が待っています。
ここからは、試験勉強の方法や、合格方法について紹介します。
- 土地家屋調査士試験の勉強をする
- 土地家屋調査士試験に合格する
それぞれ細かく紹介します。
土地家屋調査士試験の勉強をする
土地家屋調査士は難しい試験なので試験勉強は必須です。
必要とされる勉強時間は1,000〜1,500時間といわれているため、効率よく勉強する必要があります。
勉強方法は大きく分けて2パターンあります。
- 独学で勉強する
- 予備校に通う
それぞれ紹介していきます。
独学で勉強する
独学で合格は不可能ではありませんが、おすすめはしません。
なぜなら土地家屋調査士は難しい計算や使い慣れない言葉が多くでてきます。
さらに、土地の計算や作図があるため、独学は難しいでしょう。
土地家屋調査士は勉強時間の確保が難しい試験です。
身近に土地家屋調査士の資格を持っている人がいて、疑問点をすぐ聞ける環境がある場合は独学でも問題ありません。
しかし、常に疑問点を解決してくれる人がいないと無駄な時間を使ってしまうでしょう。
また、土地家屋調査士は参考書やテキストが少ないため、問題をたくさん解いて経験を重ねることが困難です。
予備校に通う
土地家屋調査士の試験を受けるなら予備校へ通うのがおすすめです。
予備校であれば、参考書やテキストも充実しているため、問題をたくさん解いて経験を積むことができます。
疑問点をすぐ質問できる制度も充実しているため、効率のいい勉強が可能です。
また、仲間も多いため、挫折しにくいでしょう。
土地家屋調査士試験に合格する
土地家屋調査士に合格するためには、試験の免除制度を利用するのも1つの方法です。
土地家屋調査士の試験は午前と午後の2部にわかれています。
「測量士」「測量士補」「一級建築士」「二級建築士」のいずれかを持っている人は午前の部の試験免除を受けることができます。
試験免除を受けることで、午後の部の試験に集中できるため、試験に合格しやすくなるのです。
さらに、資格を取った後、どのような活かし方をするか具体的に考えておくことで試験の合格率もあがるでしょう。
土地家屋調査士に仕事がないは嘘
土地家屋調査士には仕事がないといわれている理由や、これからの将来性について紹介しました。
これから需要があがり、収入も高い土地家屋調査士ですが、試験に合格しないと働けません。
独学での合格は難しいため、予備校への入学がおすすめです。
予備校に通うことで質の高い勉強や効率的な学習を進めることができます。
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