「土地家屋調査士って将来性ある?」
「土地家屋調査士の仕事の需要はこれからどうなるの?」
と、土地家屋調査士を目指している人にとって、将来性や需要は特に気になりますよね。
昨今では不景気とAIの台頭により、仕事が奪われるのではないかと不安視している声も聞かれます。
本記事では、不動産業界で非常に重要な仕事を担っている土地家屋調査士のリアルな現状や将来性、需要について詳しく解説していきます。
土地家屋調査士を志している人をはじめ、現在土地家屋調査士で将来が心配な人もぜひ参考にしてください。
土地家屋調査士に将来性はあるか
法務局の「登記簿」の表題部の記載事項について、不動産登記の申請手続きを行うのが土地家屋調査士 です。
表題登記は土地家屋調査士のみが代行できる独占業務なので結論から言うと、土地家屋調査士は将来性のある資格です。
ここでは土地家屋調査士の現状を理解し、将来性や需要がどの程度あるかを詳しく解説します。
こちらの記事では、土地家屋調査士の独占業務の内容や仕事のメリットを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
土地調査家屋士の独占業務の内容とメリット
安定の高収入
土地家屋調査士の平均年収は、経験や地域によって異なります。
一般的に新卒の土地家屋調査士の初任給は、他の職業に比べて高めの傾向があり、経験を積むにつれて収入が増加するため年齢が上がるほど高収入になります。
土地家屋調査士は独立して開業する場合や、不動産会社や建設関連の企業に勤務する場合など、さまざまな雇用形態があります。土地家屋調査士の平均年収は400万〜600万円となっているようです。
少子高齢化で需要に変化
最近土地の権利に対する人々の意識が高く、少子高齢化の影響で土地の放棄や相続が増加傾向です。
不動産の登記を取り扱う土地家屋調査士の仕事の需要は、高まり続けていると言えます。
世代交代時期が間近
現状として50代〜60代の人が土地家屋調査士として働く人の約7割を占め、若い世代はまだ少ないようです。
近い将来、土地家屋調査士の業界は世代交代が必要不可欠となることが予想されます。
これから土地家屋調査士の資格を取得しようと考えている20代〜30代の人は、就職や転職、将来の独立を見据えてる年代ではないでしょうか。
土地家屋調査士の資格取得を目指す時期としては、「今」がちょうどいい時期といえます。
将来的にはAI代替の影響も?
AIの進歩が目まぐるしい昨今、土地家屋調査士の仕事がAIによって代替されるのではないかと危惧されています。
結論を先に言うと、土地家屋調査士の仕事はAIに完全に置き換えられることはありません。
土地家屋調査士の仕事は専門的な知識や判断力、さらにはクライアントとのコミュニケーションが求められるため、AIがそのすべてを代替するのは難しいとされています。
大量のデータを処理するのはAIの得意分野なので、一部の業務を効率化するために利用される可能性があります。
例えば膨大な地図データや航空写真から土地の詳細な測量情報を得る際に、AIが活用されるでしょう。
この業務は土地家屋調査士の中にも含まれる「測量士」の仕事でもあります。
「測量士」の仕事の一部がAIの代替できる可能性があるのではないかと言われているので、詳しく解説していきます。
測量士は10年後になくなる?
土地家屋調査士の仕事にも含まれる測量士の仕事がAIの代替で10年後にはなくなるのでないかと不安視されています。
AIで地図データや衛星写真などを利用して、測量データを効率的に収集・解析し、測量データの整理や書類作成などの業務を効率化することが可能になるでしょう。
ドローンを用いた精密な測量技術が進化することで、大規模なプロジェクトや高精度な測量作業において、より正確な結果を得ることができるようになるかもしれません。
しかし測量士は地形や地質、法的規制などに関する専門的な知識が必要で、現地調査に基づいて正確なデータを用いて判断します。AIが苦手とする複雑な人間の判断力や経験が必要です。
さらに測量士はクライアントとのコミュニケーションや要件の理解、提案の説明なども行うなど人間同士のコミュニケーション能力が重要です。
そのため測量士が必要なくなることはなく、測量の業務がAIやドローンによって効率化できると言えます。
AIに代替される土地家屋調査士の仕事
実際にAIに代替される土地家屋調査士の仕事は、どのような業務なのでしょうか。
以下の2つの業務とされています。
- 機械化が進む測量やデータ解析
- 書類作成の仕事
この2つの業務を詳しく解説していきます。
機械化が進む測量やデータ解析
AIは地図データや衛星写真を活用して土地測量を効率化し、人間よりも早く正確に大量のデータを解析して地形や地質情報をまとめることができるでしょう。
ドローンを使用して測量したデータを、3D化することもできます。
さらに高度なアルゴリズムにより正確な距離や高さを計測し、測量データを迅速に収集・整理・可視化することが可能です。
書類作成の仕事
AIは測量で収集したデータを元にさまざまな書類を自動的に作成可能です。
必要な情報や規格に基づいてレポートを作成したり、測量データや地形情報から正確な地図や図面を作成したりすることができます。
土地家屋調査士の業務の中の煩雑な書類作成作業は、AIが代替できるでしょう。
AI時代も生き残る土地家屋調査士の条件
AIによって土地家屋調査士の仕事が奪われることはないことがわかりました。
しかし時代の流れに沿って、AIを上手く活用し共存していく土地家屋調査士になる必要があります。
AI時代も生き残れる土地家屋調査士の条件とはなんでしょうか?
次の4つの項目が大きな条件と言えるでしょう。
- 測量と書類作成以外の仕事のスキルアップ
- 人間が将来も必要とされるスキル
- ダブルライセンスを取得
- ADR認定土地家屋調査士認定を目指す
測量と書類作成以外の仕事をスキルアップ
AIの活用によって、土地家屋調査士の業務の中の測量と煩雑な書類作成作業に費やす時間を減少させることが可能です。
それにより専門的な業務やクライアントとの対話に集中できるようになります。
専門的な業務というのは、不動産登記の申請手続きに伴う法的知識を踏まえた業務やクライアントとのコミュニケーションで問題解決や提起を行う業務です。
これらはAIでは代替できない業務なので、経験を積んでスキルアップを目指しましょう。
人間が将来も必要とされるスキル
AIによって効率化される業務もある土地家屋調査士の仕事ですが、人間にしかできない仕事があります。
その部分の業務はこれからもAIではなく人間が必要とされるスキルでなくなることはありません。
具体的にどんなスキルがあるのでしょうか。以下の通りです。
- 人と関わるコミュニケーション
- AIで代替できない専門性と柔軟性
- 豊富な知識と経験
人と関わるスキル:コミュニケーション
AIにはできないコミュニケーションが重要になります。
クライアントとの調整や交渉などの対話は、人間関係を築きながら培っていくものです。
人と関わりコミュニケーションを上手く取るスキルは、今後ますます求められることでしょう。
AIで代替できない専門性と柔軟性
型や企画に基づいた判断が得意なAIに対し、人間は状況によって柔軟に対応できます。
専門的な知識とケースバイケースで柔軟に対応できるスキルは、今後も重要になります。
豊富な知識と経験
土地家屋調査士は、不動産登記に必要な専門的な知識が必須です。
例えば、建築基準法や相続にまつわる民法などが当てはまります。
豊富な専門的な知識は、クライアントに多くの情報を提供する上で必要不可欠です。
さらに法改正が行われた時には、機敏に対応する能力も重要になってきます。
ダブルライセンスを取得
土地家屋調査士の中でも2つ以上の資格を保有していると、将来的に優位だとされています。
多岐にわたる業務を行える人間がいると、工数を削減しフローを簡略化できます。
クライアントにとって、窓口が絞られることもメリットと言えるでしょう。
では土地家屋調査士とともに所有しておいた方が良い資格とはどんなものがあるでしょうか。
次の3つが挙げられます。
- 行政書士
- 司法書士
- 測量士・測量士補
行政書士
行政書士は「民法」分野で土地家屋調査士の資格試験と出題範囲が重なるので、1度に2つの資格勉強を進めることができます。
土地家屋調査士の業務の中に行政書士に依頼する書類作成があります。
行政書士の資格を持っていれば、その業務も担うことが可能です。
司法書士
司法書士と土地家屋調査士の資格では、出題範囲が異なるため資格勉強はそれぞれ時間をかけてする必要があります。
しかし司法書士の資格を取得できれば、不動産の「権利」に関する業務も担えるので、まさに不動産のプロとなれるでしょう。
測量士・測量士補
まだ土地家屋調査士の資格を保有していない場合は、測量士・測量士補の資格を先に目指すことをおすすめします。
測量士・測量士補の資格を保有している場合、土地家屋調査士の資格試験で午前の試験が免除されます。
試験の一部が免除されると、残りの試験範囲の試験勉強に取り組めます。
測量士よりも難易度が低いとされる測量士補でも免除される試験は、同じです。
測量士補の資格を取って土地家屋調査士の資格を目指すのが、効率の良い方法でしょう。
ADR認定土地家屋調査士認定を目指す
ADR認定土地家屋調査士の「ADR」とは「Alternative(代替)」「Dispute(紛争)」「Resolution(解決)」の頭文字をとったもの。
日本語では「代替的紛争解決手続き」のことを指します。
ADR認定土地家屋調査士は、不動産の民間紛争が起きた際、代理業務を行える法務大臣が認定した土地家屋調査士のことです。
難易度は高いですが、指定の研修を修了し試験に合格すると法務大臣から認定されます。
ADR認定土地家屋調査士の認定を受けると、主に土地境界に関する民間紛争の際、解決手続代理関係業務が行えるようになります。
土地家屋調査士を目指すなら今
土地家屋調査士は50〜60代が約7割を占める業界で、今の現役土地家屋調査士が将来引退すると、人数が減ることが予想されます。
少子高齢化に伴い、土地の権利放棄や相続も増加傾向です。
土地家屋調査士の数が減り、仕事の案件が増えると今後需要は高まるでしょう。
土地家屋調査士を目指す時期としては「今」がちょうどいい時期といえます。
まとめ
いかがでしたか?
本記事では、不動産業界で非常に重要な仕事を担っている土地家屋調査士のリアルな現状や将来性、需要について詳しく解説しました。
土地家屋調査士にとってAIは「仕事を奪う恐ろしい技術」ではなく「煩雑な業務を効率的に代わりにやってくれる便利な技術」です。
将来的にAI技術が進化するにつれて土地家屋調査士の業務が変化する可能性はあります。しかし専門的なスキルや人間の判断力が、依然として重要であるとされています。
行政書士や司法書士などの資格をダブルライセンスとして取得することも、仕事の幅を広げる点で有効です。
土地家屋調査士の資格取得には通信講座がおすすめです。
東京法経学院は高い合格実績で多くの土地家屋調査士を輩出しています。
基礎力固めから実践や応用まで手厚い講師陣のフォローがあり、合格まで導いてくれます。
土地家屋調査士は時代と新しい技術に適応しながら、その役割を確立し続けることが重要です。ぜひスキルアップしてあなたのキャリアを築いていってください。
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