土地家屋調査士試験の前に測量士補の資格を取得すべき理由

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「土地家屋調査士と測量士補は併用して資格取得できるの?」
「なぜ、土地家屋調査士を取得する前に測量士補を取得したほうがいいの?」
「土地家屋調査士に試験の免除はないの?」
このような悩みを抱えている建築関係者は多いのではないでしょうか。
試験を受ける人のほとんどが、既に仕事をしている社会人のため、勉強の時間を確保するのに苦労すると思います。
そんな人におすすめなのが、土地家屋調査士の資格を取得する前に測量士補の資格を取得することです。
ここからは、なぜ測量士補の資格取得がおすすめなのか紹介します。

土地家屋調査士試験とは

土地家屋調査士試験とは、毎年10月頃に行われる法務省が開催している試験です。
この試験に合格することで、土地家屋調査士として土地の形状を計測したり、登録したりできます。

試験は、午前の部と午後の部に分かれており、合計5時間ほどかかるハードな試験です。

時間 試験内容
午前の部 2時間 平面測量10問(択一)

作図1問

口述15分

午後の部 3時間 不動産登記法や民法など20問(択一)

記述式2問

午後の部が行われた後、合格した者だけ1月頃に行われる口述試験に挑むことができます。

そして、口述試験にも見事合格できれば晴れて土地家屋調査士の資格を取得できるのです。
土地家屋調査士は国家資格のなかでも難しい試験のため、覚える内容も多く、勉強途中で挫折してしまう人も少なくありません。
しかし、ある方法を使うことで、午前の部の試験免除を受けられます。

土地家屋調査士試験における免除とは

土地家屋調査士試験は、特定の資格を保有している場合、午前の部の試験が免除になります。
ここからは、なぜ免除制度を受けたほうがいいのか、免除できる資格を紹介します。

  • 午前の部の免除を受けたほうがよい理由
  • 午前の部を免除できる資格一覧

試験の免除を受ける予定が無い人も参考にしてみてください。

午前の部の免除を受けたほうがよい理由

4,000人近くの受験者がいるなか、午前の部の受験者は30人程度と少数です。
ほとんどの受験者が試験免除を受けていることが分かります。
では、なぜ試験免除を受けたほうがいいのでしょうか。
理由は大きく分けて2つあります。

  1. 試験問題が難しい
  2. 問題の対策が難しい

ここからは、2つの理由について詳しく紹介します。

理由①試験問題が難しい

1つ目の理由は、土地家屋調査士試験の難易度の高さです。
土地家屋調査士は測量から土地の登録まで行いますが、測量士補は測量のみを行うため、難易度に差が現れます。
また、土地家屋調査士の試験には測量士補の試験にはない作図作成もあり、ボリュームもあります。
そのため、土地家屋調査士の午前の部を受けるより測量士補の資格を取得したほうが楽に資格を取得できるのです。

理由②問題の対策が難しい

2つ目の理由は、土地家屋調査士の試験対策の難しさにあります。
土地家屋調査士は勉強に必要なテキストや問題集が少ないため、対策が難しいです。
試験対策には問題をたくさん解いて経験を積むことが重要ですが、問題集が少ないため、経験を積むことができません。
また、出題される問題数に対して勉強範囲が広いことも、対策を難しくしている理由の一つです。

午前の部を免除できる資格一覧

午前の部の試験免除が受けられる資格は以下の4つです。

  • 測量士
  • 測量士補
  • 一級建築士
  • 二級建築士

この中で測量士と測量士補は受験資格の制限が無いため、誰でも受験できます。
一方、一級建築士や二級建築士は建築に関する学歴や資格、実務経験年数がそろっていないと受験できません。
ほかにも「午前の部の筆記試験合格者と同等の知識や技能を有する者として、法務大臣に認定された者」も免除対象です。
しかし、定義があいまいなため資格を取得したほうが確実に試験免除を受けられます。

測量士補とは

測量士補とは計測器を使って土地の広さや高低差を計測する職業です。
名前が似ている測量士とはどんな違いがあるのでしょう。
ここからは、測量士との違いや測量士補の仕事内容について紹介します。

  • 測量士との違い
  • 測量士補の仕事内容
  • 測量士補の資格試験
  • 測量士補が取得しやすい理由

それぞれ、細かく紹介していきます。

測量士との違い

測量士と測量士補では、できる仕事の内容に違いがあります。

測量士 測量計画を作成し、測量する
測量士補 測量士の作成した計画に基づいて測量する

名前の通り測量士補は、測量士の補助的な役目だと考えて良いでしょう。
しかし、どちらも測量を行うため、実際の業務内容にそれほど差はありません。

測量士補の仕事内容

測量士補の仕事内容は、測量士が作成した計画書通りに測量を行うことです。
測量士補が測量するのは、土地の大きさや高低差や角度で、このデータを正確に計測しPCを使ってまとめます。
計測したデータは、住宅のような建物や橋や道路などを建設する際に利用します。
また、高度な計測技術を使って上空からの写真を元に地図を作成することも可能です。

測量士補の資格試験

測量士補の試験は択一式で、問題数は計28問です。
1問25点で、合格点は450点のため、28問中18問正解すると合格となります。
測量士補の試験科目は8つあり、主に測量方法の問題がメインです。
ほかにも、測量業務を行ううえで求められる一般常識や技術者倫理なども問われます。
また、試験中は計算機の使用が認められていないため、基礎的な計算力も必要です。

測量士補が取得しやすい理由

測量士補の試験は、全問マークシート形式のため合格しやすいです。
ほかにも、測量士補の資格が取得しやすい理由は3つあります。

  1. ほかの試験より簡単に取得できるから
  2. 土地家屋調査士試験と並行して資格が取得できるから
  3. 勉強内容が土地家屋調査士試験に役立つから

それぞれ見ていきましょう。

理由①ほかの試験より簡単に取得できるから

測量士補に受験資格はなく合格率も40%前後のため、ほかの試験より簡単に取得できるでしょう。
似た名前である測量士の合格率は15%のため、測量士補よりも難易度は高いです。
また、二級建築士や一級建築士は受験資格もあり、合格率も20%前後のため、難易度が高いということが分かります。

理由②土地家屋調査士試験と並行して資格が取得できるから

測量士補の試験は毎年5月に行われており、土地家屋調査士より前に取得できます。
そのため、並行して資格の取得が可能です。

理由③勉強内容が土地家屋調査士試験に役立つから

測量士補と土地家屋調査士の試験内容は比較的近いため、測量士補の知識が役に立ちます。
測量士補の計算は土地家屋調査士の業務でも充分活用できるため、測量士補の勉強が役立つのです。

測量士補および土地家屋調査士の試験に合格するための3つのポイント

最後に、測量士補と土地家屋調査士の試験に合格するためのポイントを3つ紹介します。

  1. スケジュールを組んで勉強する
  2. 過去問題を活用する
  3. 予備校に通う

ポイントを押さえることで、効率よく勉強できます。

ポイント①スケジュールを組んで勉強する

1つ目のポイントは、勉強前にスケジュールをたてることです。
今回のように2つの資格を同時に取得する場合は、計画的に勉強することで、勉強時間を確保できます。

測量士補は、3ヶ月ほどあれば習得できるため、以下のようなスケジュールがおすすめです。

10月~12月 土地家屋調査士
1月~3月 土地家屋調査士と測量士補
4月~5月 測量士補
6月~10月 土地家屋調査士

このように、基本的なスケジュールは土地家屋調査士に合わせることで効率よく勉強できるでしょう。

難易度の高い土地家屋調査士の試験を突破するためには、事前準備とスケジューリングが重要です。こちらの記事では、土地家屋調査士の受験合格に必要な時間や、おすすめの勉強方法を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
土地家屋調査士の試験合格に必要な勉強時間は?予備校のメリットも解説

ポイント②過去問題を活用する

つぎのポイントは、過去問題を活用することです。
過去問題をたくさん解くことで出題方法の癖や、自分の苦手な分野を知ることができます。
土地家屋調査士は、法務省のHPに過去10年分の過去問題が載っています。
ぜひ活用して試験合格を目指してください。

ポイント③予備校に通う

勉強のやり方に不安がある方や質の高い学習を受けたい人は、予備校がおすすめです。
予備校では、学習カリキュラムが組まれ、質の高いテキストや問題集が用意されています。そのため、初心者でも安心して勉強に取り組めるでしょう。
分からない問題もしっかりフォローしてもらえるため、独学に比べて挫折しにくい点も予備校に通うメリットです。

土地家屋調査士を取得するために測量士補も受験しよう

土地家屋調査士試験の前に測量士補の資格を取得すべき理由や、試験に合格するためのポイントについて紹介しました。
1年に2つの資格の勉強をするのは大変だと思う人も多いでしょう。
しかし、スケジュールを立てて勉強し、過去問題を活用することで効率よく勉強できます。
それでも合格できるか不安な方は予備校に通う方法もおすすめです。
当サイトでは、「土地家屋調査士の資格取得予備校・通信講座おすすめ人気ランキング」を紹介しています。
土地家屋調査士を目指している方は、サイトをチェックしてみてください。

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