「土地家屋調査士の仕事はつらいから就くのは、やめたほうがよいって本当?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
不安な気持ちや疑問を解消できないまま、資格の取得に挑むことは避けたいですよね。
そこで今回は、土地家屋調査士の仕事はやめておけと言われる理由、また仕事内容や就業するメリットなどを紹介します。
土地家屋調査士の資格の取得を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
土地家屋調査士の仕事はやめておけと言われる理由
ここからは、土地家屋調査士の仕事はやめておけと言われる4つの理由を紹介します。
土地家屋調査士の資格を取得する前に、デメリットも把握しておきたい方はご参考ください。
理由①屋外の作業が多いため
土地家屋調査士の仕事には、屋外の作業もあるため、体力があまりない方にとっては厳しいかもしれません。
具体例としては、図面や書類の作成などのデスクワークだけではなく、不動産の調査や測量といったフィールドワークも挙げられます。
測量では、専用の機器を用いて土地の面積や高さを測るので、季節によっては炎天下、あるいは寒いなか作業することもあります。
さらに、空き地や農地などの測量の依頼で雑草をかき分けながらの作業や、傾斜のきつい場所での作業があることも少なくないでしょう。
また、遠方の土地の調査を依頼された場合は、長時間の移動もともないます。
屋外の作業や移動にくわえて書類を作成する必要がある点が、土地家屋調査士の仕事がつらいと言われる所以です。
理由②土日出勤があるため
土地家屋調査士になると、土日も働かなければなりません。
土地家屋調査士の仕事のなかに「境界確定測量」があります。
境界確定測量では、土地の境界を確定させるために、依頼者や隣地所有者の立ち会いと、書類への署名捺印が必要です。
依頼者と隣地所有者は、平日は会社に勤めている方が多いので、ほとんどの立ち会いは土日に行われます。
さらに、不動産業者は土日に営業しているので、立ち会いがない日でも依頼者との打ち合わせで質問があると、電話がかかってくることも想定されます。
土日は休みたい方や、ワークライフバランスを重視したい方は、土地家屋調査士として働く選択肢を考え直すのも1つの手段です。
こちらの記事では土地家屋調査士の平均年収について詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
土地家屋調査士の平均年収はどれくらい?年齢別・エリア別に解説
理由③繁忙期と閑散期の差が激しいため
土地家屋調査士の仕事はやめておけと言われる理由には、繁忙期と閑散期の差が大きい点も挙げられます。
土地家屋調査士の大型案件は、何百万円と規模が大きく、時期によっては複数の大型案件を同時に進めます。
所属する事務所にもよりますが、繁忙期は早朝から深夜にわたる勤務を覚悟しなければなりません。
反対に、閑散期はあまり案件を受注できないこともあるので、繫忙期との差が激しく、苦労する場面も予測されます。
理由④景気に左右されやすいため
土地家屋調査士の仕事は、景気に左右されやすいため、安定を重要視する方もやめておいたほうが賢明かもしれません。
好景気のときは、分譲土地やマンション建設のほか、公共工事が増加するため、測量や不動産登記の依頼が増えます。
一方で、不景気のときは、不動産売買や工事が減少し、それにともなって土地家屋調査士への依頼も減ります。
どのような職業であっても、景気や経済に左右されますが、土地家屋調査士の仕事は特にその影響を受けることを念頭に置いておきましょう。
土地家屋調査士の仕事内容
土地家屋調査士になるには、法務省が実施する「土地家屋調査士試験」に合格しなければなりません。
その後、無事に土地家屋調査士になると、どのような職務を担うのかは気になるところです。
主な仕事内容は、以下の5つです。
【土地家屋調査士の仕事内容】
- 不動産の調査や測量
- 不動産登記の申請手続きの代行
- 不動産の表示に関する登記の審査請求の手続き
- 筆界特定の手続き
- 土地の筆界に関する裁判外紛争解決の手続き
土地家屋調査士は、不動産の調査や測量と登記の申請手続きを代行できます。
不動産登記には、土地や建物の正確な情報が必要なので、調査や測量を行います。
さらに、筆界特定の手続きも土地家屋調査士が行う仕事の1つです。
筆界は隣の土地との公的な境界で、筆界を明確にするには、筆界調査委員に筆界特定という調査を依頼する必要があります。
土地の所有者が申請することも可能ですが、土地家屋調査士が代理で申請することがほとんどです。
また、不動産の表示に関する登記の審査請求という不服申し立ての手続きならびに、土地の筆界に関する裁判外紛争解決の手続きも、土地家屋調査士が代理申請できます。
土地家屋調査士として働くメリット
土地家屋調査士の仕事には、ネガティブな意見も一部ありますが、就業するメリットももちろんあります。
そこでここからは、土地家屋調査士として働く3つのメリットを紹介します。
土地家屋調査士の資格の取得を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
メリット①需要が安定している
土地家屋調査士の仕事は、需要が安定しています。
不動産に関する登記の代理申請は、土地家屋調査士だけが行える独占的な仕事であり、法律によって定められているためです。
不動産の所有者は、住所や建物の構造などの詳しい情報を記載する「不動産の表示に関する登記」を申請する必要があります。
しかし、登記の申請には専門的な知識が必要なので、土地家屋調査士が、不動産に関する登記の申請手続きを代理で行います。
そのため、不動産が増えつづける限り、土地家屋調査士の仕事がなくなることはあまり考えられません。
メリット②高収入を目指せる
土地家屋調査士になると、高収入を目指せます。
土地家屋調査士の平均年収は、600万円程度です。
2021年度に国税庁が行った調査によると、民間企業の給与所得者の平均年収は443万円であったため、土地家屋調査士の平均年収は、比較的高い水準に達していることがわかります。
平均年収が高い理由としては、土地家屋調査士の仕事は専門性が高く、独占的な仕事であることが挙げられます。
事務所に所属して経験や実績を積んだ方は、役職に就けるとさらに年収を上げることも可能です。
また、土地家屋調査士は、独立を目指せるので、年収1,000万円以上も夢ではありません。
参照元:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」
メリット③人生の選択肢が増える
土地家屋調査士として働くメリットとして、人生の選択肢を増やせる点も挙げられます。
先ほど説明したように、土地家屋調査士は独立を目指すことができます。
独立に定年はなく、長く働いたり早めに一線を退いたりといった選択肢の幅が広がるので、ご自身に合った働き方を選ぶのもよいでしょう。
また、土地家屋調査士としてのスキルを高めるだけではなく、ほかの資格も取得すると、ライバルと差別化できます。
たとえば、司法書士の資格を取得すれば「不動産の権利に関する登記」も行えます。
不動産の権利に関する登記は、司法書士の独占的な業務です。
このように、不動産の表示に関する登記をワンストップで行えると、ご自身の市場価値を高められ、仕事の幅も広がります。
こちらの記事では、不動産の専門的な知識が必要な土地家屋調査士に向いている人に、反対に向いていない人の特徴を解説していますので、合わせてご覧ください。
土地家屋調査士に向いている人と向いていない人の特徴とは
土地家屋調査士に将来性はある?
土地家屋調査士を目指していても、将来性があるかどうかが気になる方も、なかにはいらっしゃるかもしれません。
しかし、不動産の調査や測量は、AIの技術やGPSなどを用いる場面は増えても、完全にAIに代替されることはなく土地家屋調査士が必要なので、将来性はあります。
さらに、不動産の相続が今後増えると予測されているので、相続した土地や建物の売買などの案件が増えると見込まれています。
また、日本土地家屋調査士会連合会が行った調査によると、2021年4月1日時点では、土地家屋調査士の半数が60代以上であることがわかりました。
これから土地家屋調査士を目指す方は、チャンスと捉えて資格の取得を目指すのもよいのではないでしょうか。
参照元:日本土地家屋調査士会連合会 特集「少子高齢化と土地家屋調査士の未来」
土地家屋調査士の仕事は屋外での作業など厳しい面もあるが高収入を目指せる
いかがでしたでしょうか?
土地家屋調査士の仕事では、屋外での作業が必要となり、土日も出勤しなければなりません。
さらに、土地家屋調査士の仕事がつらいと言われる理由として、繁忙期と閑散期の差が大きい点や、景気の影響を受けやすい点も挙げられます。
一方で、土地家屋調査士になると、将来につながる多くのメリットを得られます。
高収入を目指せたり、独立などの働き方の選択肢も増やせたりするので、土地家屋調査士の資格の取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。
当サイトでは、「土地家屋調査士の資格取得予備校・通信講座おすすめ人気ランキング」を紹介しています。土地家屋調査士を目指している方は、サイトをチェックしてみてください。