土地家屋調査士の平均年収はどれくらい?年齢別・エリア別に解説

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土地家屋調査士を目指す理由が、「今の仕事よりも年収を上げたいから」という方も多いのではないでしょうか。

専門知識を要する職業は高収入の傾向があるため、土地家屋調査士になると、どれほどの年収を得られるのかは気になりますよね。

そこで本記事では、土地家屋調査士の収入事情を解説します。

ボーナスの実情や、年収を上げるポイントなどもあわせて紹介しますので、土地家屋調査士にご興味のある方は、最後までご覧ください。

土地家屋調査士の平均年収はどれくらい?

ここからは、土地家屋調査士の平均年収をカテゴリごとに紹介しますので、現在のご自身の年収と比較する際の参考にしてみてください。

全体の平均年収

土地家屋調査士の全体の平均年収は、600万円ほどです。

国税庁によると、2021年度の民間企業給与所得者の平均年収は443万円なので、土地家屋調査士の年収は高額の部類だといえます。

土地家屋調査士は「不動産の表示に関する登記」や「筆界特定手続きの代理および書類作成」などの独占業務をもつ国家資格であり、参入障壁が高いことが高給の理由に挙げられます。

また、土地家屋調査士の資格を得るためには、合格率が9%前後の難関試験に合格しなければならず、有資格者が圧倒的に少ない点も給与の高さに影響しているでしょう。

ただし土地家屋調査士の年収は、人によって200万~1000万円ほどと、金額に大きな格差があります。

この差は、勤務先や働き方、スキルおよび個人の裁量などによって生じるものです。

出典元:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査

こちらの記事では土地調査家屋士の独占業務のについて詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
土地調査家屋士の独占業務の内容とメリット

年齢別の平均年収

ほかの職業にも当てはまることですが、土地家屋調査士の年収は、年齢とともに上がります。

ただし、測量においては体力が必要になるため、経験値と体力をあわせもつ50代が年収のピークになるようです。

土地家屋調査士の年代ごとの平均年収は、以下のとおりです。

【土地家屋調査士の年代ごとの平均年収】

  • 20代:約500万円
  • 30代:約600万円
  • 50代:700万~1000万円

就職して1年目の年収は、300万円ほどですが、就業3年目に入った頃から年収が上がる傾向があります。

なぜなら、数年のあいだ、土地家屋調査士事務所で立ち合いの経験などを積むことで、調査士にとって重要な「確定測量」という業務ができるようになるためです。

確定測量とは、ある土地と、そのすべての隣接地との境界を決定する測量のことです。

この測量の結果をもとに作成された「確定測量図」は、その土地の境界に関してトラブルがないことを証明するため、不動産売買で重宝されます。

このように、経験を積んで重要な仕事ができるようになると年収も増加し、50代くらいで700万円以上の年収が見込めるようになるのです。

エリア別の平均年収

土地家屋調査士の年収は、就業するエリアによっても大きく異なります。

不動産の売買がよく行われている都市部では、その分土地家屋調査士の仕事が増えるため、ほかのエリアより年収が高くなる傾向があります。

また、求人サイトの調査によれば、土地家屋調査士の年収は関東地方が最も高く、九州・沖縄地方が最も低いようです。

補助者、会社勤務、独立開業の年収

土地家屋調査士の働き方は、補助者、会社勤務、独立開業の3つがあります。

働き方によっても調査士の年収は変化するため、ここからはそれぞれの就業形態ごとの年収を解説します。

土地家屋調査士の補助者として働く場合

土地家屋調査士の補助者とは、調査士が行う書類作成や測量などの業務を手伝う職種のことで、無資格者でもなることができます。

土地家屋調査士の資格を取得したばかりの人が、まずは調査士事務所に所属して、補助者として業務経験を積むことも少なくありません。

業務未経験の補助者の場合、平均年収は300万円ほどとされています。

土地家屋調査士として会社勤務する場合

補助者ではなく、土地家屋調査士として調査士事務所で働く場合の年収は、400万~600万円程度です。

しかし、業務経験が豊富であれば、さらに高額の年収を得られるケースもあります。

たとえば、東京都には、測量経験が5年以上であることを条件に、400万~800万円の給与を提示している調査士事務所もあります。

独立開業する場合

土地家屋調査士の働き方においては、補助者として数年のあいだ調査士事務所で経験を積んだのちに、自身の事務所を開業するという流れが一般的です。

独立開業した場合の年収は、個人の経営手腕にかかっているため、一概に言うことはできません。

経営が軌道に乗れば、1,000万円を超える年収を手にすることもある一方で、失敗すれば200万円ほどしか稼げないこともあります。

ただし、土地家屋調査士として高収入を狙うのならば、独立開業が最も有効な手段です。

こちらの記事では、独立開業する際の押さえておきたいポイントを解説していますので合わせてご覧ください。
土地家屋調査士が独立開業する際に押さえておきたいこと

土地家屋調査士にボーナスは出る?

収入のことを考える際は、ボーナスの有無も気になりますよね。

そこで、土地家屋調査士のボーナス事情を、調査士事務所が個人の場合と法人の場合に分けて説明します。

個人事務所の場合

個人事務所は、少人数で運営していることが一般的です。

そのため、利益が出た分がボーナスに大きく反映される傾向があり、なかには100万円を超えるボーナスがもらえた事務所もあるようです。

一般的には、月収の2か月分のボーナスが年2回支給されるケースが多いもようです。

法人事務所の場合

法人事務所は多くの土地家屋調査士や補助者を抱えているため、ボーナスの金額は個人事務所と比較すると低い傾向があります。

求人情報を見ると、月収の2~3か月分の金額が年2回支給される法人事務所が多いようです。

土地家屋調査士が年収を増やす2つのポイント

土地家屋調査士は年収の幅が非常に広い職業だとお伝えしてきましたが、2つのポイントを押さえることで年収アップが期待できます。

まず1つ目のポイントは、測量や登記の依頼を多く受けられる場所、すなわち不動産の取引が活発に行われている都市部に就業することです。

前述したように、都市部のほうが平均年収も高額になる傾向があり、働くエリアによって40万円以上の差が生まれることもあるので、就業場所は年収アップに重要な要素です。

また、2つ目のポイントとしては、不動産の取引に関わる資格を取得して、付加価値をつけることが挙げられます。

土地家屋調査士におすすめの資格は、「ADR認定土地家屋調査士」と「宅地建物取引士(宅建)」です。

ADR認定土地家屋調査士とは、土地の区画(筆界)が明確でないことが原因で起こった争いの、解決手続きの代理を務めることができる資格のことです。

ADR認定土地家屋調査士に認定されると、担当できる業務が増えるため、就職および転職の際の強みになるでしょう。

なお、この認定を受けるためには、特別研修考査に合格後、法務大臣への申請が必要になります。

一方、宅地建物取引士は、不動産の専門知識を有していることを証明する、人気の高い国家資格の1つです。

この資格を取得する過程で身につけた不動産の知識は、土地家屋調査士が不動産の表示登記を行う場面でも役立ちます。

宅建資格の取得で不動産の専門知識が深まり、同業者との差別化を図れるため、土地家屋調査士として高い評価を受けられるほか、転職の際にも有利になります。

土地家屋調査士の全体の平均年収は約600万円だが状況によって大きく変わる

いかがでしたでしょうか?

土地家屋調査士の平均年収は、全体では600万円前後ですが、年齢や就業するエリア、そして働き方やスキルの違いによって大きく変動します。

特に、独立開業して自身の事務所を経営する場合には、200万~1,000万円の年収格差が生じる可能性があります。

より多くの年収を手にするためには、不動産の取引が盛んな都市部を選び、土地家屋調査士の業務の幅を広げられる関連資格を取得するとよいでしょう。

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