土地家屋調査士の試験合格に必要な勉強時間は?予備校のメリットも解説

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「土地家屋調査士の試験に合格するためにはどのくらい勉強すればいいのだろう?」
「独学でも合格できるのだろうか?」

このような疑問をお持ちの方は多くいらっしゃいます。合格率が約10%である土地家屋調査士の試験は難易度が高く、覚えなくてはならない範囲も非常に広いです。

初学者が土地家屋調査士の試験にチャレンジする場合、最低でも1,000時間程度が必要といわれています。1,000時間といわれてもあまりピンとこないと思いますが、期間にするとおおよそ1年半を要するイメージです。

比較として、高校生が難関大学を受験する際の3年間の総勉強時間(授業を除く)は、約4,000時間です。参照:東進タイムズ

高校時代の予備校や受験勉強のスケジュールを思い出してみると、どのくらいのボリュームか把握しやすいかもしれません。

難易度の高い土地家屋調査士の試験を突破するためには、事前準備とスケジューリングが重要です。今回は土地家屋調査士の受験合格に必要な時間や、おすすめの勉強方法を詳しく解説します。

土地家屋調査士の試験にチャレンジしてみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

土地家屋調査士試験合格のために必要な勉強時間・勉強期間

土地家屋調査士試験合格のために必要な勉強時間・勉強期間はどのくらいでしょうか。以下でそれぞれの項目について解説していきます。

ただし、勉強時間や習得の度合いは個人差が大きく出ます。目安時間として参考程度にご覧ください。

試験合格に必要な勉強期間

土地家屋調査士の試験合格に必要な勉強期間は「約1年半」が目安といわれています。土地家屋調査士の試験日は1年に1度なので、受験日にあわせてスケジュールを組み立てるとよいでしょう。

土地家屋調査士の合格率は約10%と非常に低いため、数回試験にチャレンジする方も多くいます。とくに仕事をしながら受験勉強に臨む場合は、長めの期間をみておいたほうがよいです。

下記では、土地家屋調査士と他資格の受験に必要な勉強時間の目安をまとめてみました。

資格名 合格率 必要な勉強時間の目安
土地家屋調査士 約10% 1,000時間
司法書士 約4% 3,000時間
社労士 約6% 1,000時間
行政書士 約10% 500時間
マンション管理士 約8% 500時間
宅建士 約15% 300時間
管理業務主任者 約20% 300時間
賃貸不動産経営管理士 約30% 100時間

合格率が低い難易度の高い試験をクリアするためには、約1,000時間以上が必要です。他の資格と比較してみても、難易度と勉強時間が比例していることがわかります。

自分がもともと持っていた知識によって、習得率は大きく変わります。たとえば、大学で法律を学んでいた方や、関数の計算が好きな人は土地家屋調査士の試験内容を理解しやすいでしょう。

勉強時間の内訳

土地家屋調査士の試験に向けて必要な勉強時間は約1,000時間です。これらの時間をどのように使うか、内訳の例を紹介します。

内容 学習にあてる時間
・民法を覚える・登記登録書に係る内容を覚える

・計算問題のやり方を把握する

・作図の方法を覚える

約250時間
・択一問題の練習(過去問題を解く) 約300時間
・記述問題の練習(過去問題を解く) 約300時間
・全体の見直し・答練

・模試

・復習

約150時間

あくまで一例となるので、自分なりの時間配分を考えてみてください。

1年半を目安とした場合、そのなかでの1,000時間がどのくらいかというと、1週間あたり13.5時間ほどです。しかし、フルタイムで仕事をしている場合は毎日コンスタントに勉強時間を確保することは難しいでしょう。

その場合、土日に詰め込んで学習することになりますが、長時間にわたる学習は疲れてしまいますし集中力も続きません。どのくらいの時間・期間をかけて網羅していくのかは、自身のライフスタイルにあわせる必要があります。

無理なスケジューリングをしてしまうと、どれも中途半端になり受験日当日に成果がでない可能性が高いので注意してください。

1日平均何時間勉強するべきか

土地家屋調査士の試験に合格するためには、1日あたりどのくらいの勉強時間を確保すればよいのでしょうか。約1,000時間/1年半の勉強が必要だと仮定した場合の、学習時間を試算してみましょう。

勉強を開始する時期 1日に必要な勉強時間 週に何日勉強すればよいか
試験日の3か月前から 12時間 週7日(休みなし)
試験日の6か月前から 6時間 週7日(休みなし)
試験日の1年前から 4時間 週6日

上記の表でわかるとおり、1年前から計画していても1日あたり4時間もの学習時間の確保が必要です。忙しい仕事に就かれている方にとっては、毎日4時間の学習時間の捻出は厳しいケースが多いです。

上記の表よりも1日あたりの勉強時間を減らすためには、もう少し長い期間を確保しなくてはなりません。たとえば2年間で合格を目指すと仮定した場合「1日あたり2時間×24日×12か月=1,152時間」となり1,000時間を超えます。

しかしずっと同じことを学んでいると、飽きてしまったり、モチベーションが保てなかったりします。勉強時間が長ければよいというわけでもないので、総合的なバランスを考える必要があるでしょう。

なぜ土地家屋調査士試験合格のために長時間の勉強時間が必要なのか

土地家屋調査士の試験に合格するためには、多くの勉強時間が必要です。なぜそれほど長い時間が必要かというと、試験問題が非常に難しいからです。

土地家屋調査士の資格試験に出題される問題(試験科目)については、以下の知識が求められます。

    • 民法に関する知識
    • 登記の申請手続(登記申請書の作成に関するものを含む)及び審査請求の手続きに関する知識
    • 登記の申請手続及び審査請求の手続に関する知識

土地及び家屋の調査及び測量に関する知識及び技能であって次に掲げる事項
ア. 平面測量  イ. 作図

  • 筆界(不動産登記法第123条 第1号に規定する筆界をいう)に関する知識
  • その他土地家屋調査士法第3条第1項第1号から第6号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力

大分類すると上記の5つですが、それぞれの科目にさらに細かい範囲があります。とくに民法に係る問題は、覚える範囲が広いので苦戦する人が多い箇所です。

また土地家屋調査士の試験の特徴として、関数電卓を使った計算問題や、三角定規を用いた作図の課題があります。内容を頭に叩き込むだけでなく、実際に手を動かして問題に慣れておくことも大切な試験対策です。

合格のために時間をかけたほうがいい試験科目

合格のために、特別に時間をかけたほうがいい試験科目はなく、どの科目も均等に学習を行うことが重要です。ただし、模試を受けて自身の弱みがわかればその箇所を重点的に復習するとよいでしょう。

なぜ、時間をかける科目を作らないほうがよいかというと、土地家屋調査士の採点方法は相対評価によるものだからです。合格者の人数があらかじめ決まっており、それにあわせて合格の基準点が決まります。

試験問題は、前半が択一式、後半が記述式となっています。採点の際は、択一式の合格点を先に確認し、この時点で基準に達していない場合は不合格です。択一問題の基準をクリアできたら、次に記述問題のチェックに入ります。記述問題の採点は、試験官が1通ずつチェックします。

前半(択一問題)がクリアできなければ、後半(記述)の問題は採点すらしてもらえません。しかし択一問題ばかりに注力してしまえば、難易度の高い記述式の試験対策ができないデメリットがあります。

また、土地家屋調査士の試験では電卓や三角定規など、道具の使い方も点数に大きく影響する可能性があります。過去問を解いたり、模試を受けたりする際にもこれらの道具は必要です。

総合的に考えると、全体としてバランスよく習得することが大切で、どれか一か所に特化し勉強を進めることはあまりおすすめしません。

土地家屋調査士試験に合格するための勉強方法

土地家屋調査士に合格するための勉強方法を紹介します。これから勉強をはじめる方は、以下のポイントをチェックしてみてください。

  • 過去問題を解く
  • 模試・答練を受ける
  • テキストをよく読み込む
  • 電卓の使い方を練習する
  • 記述問題の苦手意識をなくす
  • 勉強のスケジュール表を作成しておく

過去問題を解く

土地家屋調査士試験に合格するための自宅学習として、過去問題を解くことは有効な手段です。過去問題は法務省のホームページに掲載されているので、ぜひプリントアウトしてみてください。

過去3年分くらいの問題を解いていくと、おおよその傾向が把握できます。市販の過去問題集を購入する場合は、発売日が新しいものを選びましょう。ただし年度によって出題傾向がガラっとかわる可能性もあるので、その点は心構えをしておいてください。

こちらの記事では土地家屋調査士試験の過去問選び方について詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
【合否の分かれ目】土地家屋調査士試験の過去問選び

模試・答練を受ける

土地家屋調査士の勉強方法として有効なのが、模試や答練の活用です。答練とは、答案練習の略で、解く問題自体は模試とあまり変わらないケースも多いでしょう。

模試の場合は指定日に一斉に試験を行い、受験者のなかでの自分の順位を見られることが多いです。模試会場では本番と近い形式で試験が行われるため、緊張感を持って臨めます。

「場に慣れる」という意味でも、模試会場での試験に挑戦してみるのもおすすめです。

テキストをよく読み込む

土地家屋調査士の勉強に必要なテキストは隅々までチェックしましょう。テキストにはさまざまな種類があるので、実際に手にとって読みやすそうなものを選んでみてください。

どのメーカーのテキストでも構いませんが、最低でも2回はすべてのページをチェックしておいてください。はじめからテキスト内容をすべて暗記する必要はありませんが、全体の流れや概要は書かれている内容を把握しておきましょう。

電卓の使い方を練習する

土地家屋調査士の試験には関数の計算が必須です。試験の規則で、電卓またはそろばんの持ち込みが認められているので忘れずに持参してください。

参照:土地家屋調査士の筆記試験における電卓の使用について

土地家屋調査士の試験は時間との勝負でもあるので、使い慣れた道具を用いて、できるだけ素早く計算を行う必要があります。計算ミスによる失点はもったいないので、繰り返し練習しておきましょう。

記述問題の苦手意識をなくす

土地家屋調査士の試験で難関とされるのが、記述問題です。試験当日の科目の振り分けは以下のようになっています。

内容 問題数 制限時間
午前の部 ・平面測量・作図 ・多肢択一形式10問・記述式1問 2時間
午後の部 ・不動産の表示に関する登記に関する事項であって、申請手続及び審査請求の手続に関する知識及び技能 ・多肢択一形式20問・記述式2問 2時間30分

午前1問・午後2問と記述問題の数自体は少ないのですが、1つの問題に対して解答する内容が多くあります。また記号や数字で選ぶ択一問題と異なり、自分の言葉で文章を書かなくてはいけないため、苦手だと感じる人もいるでしょう。

土地家屋調査士の試験は基準点があるため、択一問題が満点でも記述の点数を落としてしまうと不合格になります。苦手を克服できるよう、過去問題を繰り返し解いて慣れておくことが肝心です。

勉強のスケジュール表を作成しておく

土地家屋調査士の試験に合格するためには、1年以上の勉強期間が必要な場合が多いです。網羅しなくてはいけない内容が非常に多いので、最初におおまかなスケジュールを決めておく必要があります。

月単位や週単位で、勉強する科目を設定しておきます。1年分の時間割を考えるのは手間ですが、達成度を把握するためにも細かな目標を決めておきましょう。

最短で土地家屋調査士試験に合格したいなら予備校がおすすめ

土地家屋調査士の試験は独学で合格することも可能ですが、最短で合格したい人には予備校の利用がおすすめです。土地家屋調査士の予備校には「オンライン予備校」もあり、この場合は動画やチャットで勉強のサポートをしてくれます。

以下では、予備校のメリットを紹介します。

  • オリジナルのテキストが用意されている
  • 授業料を払うことでやる気を継続させられる
  • 困ったときにすぐに聞ける環境を作れる
  • 同じ目標を持った仲間ができる

土地家屋調査士の試験に対応している予備校は複数あるので、料金や内容などをよく確認してみてください。

オリジナルのテキストが用意されている

土地家屋調査士の予備校各社では、それぞれがこだわったテキストを作成しています。また、予備校によっては動画教材が用意されていることもあるので、通勤・通学中に耳学習をすることもできます。

市販で購入できるテキストとは異なり、各予備校の知識を詰め込んだ内容なので、非常に価値のあるものです。限られた時間で効率的に学ぶためには、わかりやすいテキストは欠かせません。

授業料を払うことでやる気を継続させられる

土地家屋調査士の予備校に入学することで、自身のモチベーションを保ちやすくなります。授業料を支払うことで「勉強しなくては」という気持ちを継続できます。

予備校の費用は会社によって異なりますが、30万円前後が多いでしょう。価格だけ見ると高いように思いますが、受験日までしっかり勉強をサポートしてくれます。

土地家屋調査士の勉強は最低でも半年単位の長丁場です。ひとりでやりきる自信のない方は早めに予備校への入学を決めたほうが時間が無駄になりません。

困ったときにすぐに聞ける環境を作れる

自身のモチベーションを保つ力を持っている人でも、難しい問題が解けずつまずいてしまうことはよくあります。困ったときにすぐに相談できる環境を作っておくことは、非常に大切です。

土地家屋調査士の試験では、民法や登記の知識、作図など習得しなくてはいけない範囲が多岐にわたります。また記述式の課題では自身の言葉で解答するため、細かいニュアンスなどの答え合わせが難しいケースもあるでしょう。

専任の講師にチェックしてもらったほうが、解答に自信をもてるようになります。近くにサポートしてくれる人がいると、勉強のやる気もさらにアップするでしょう。

同じ目標を持った仲間ができる

土地家屋調査士の予備校に入ると、同じ目標を持った仲間と出会える点がメリットのひとつです。実店舗のある教室で共に学んだり、SNSや専用のコミュニティでオンライン上の仲間とやりとりができたりします。

土地家屋調査士試験は1年で合格できることは少なく、多くの方は2年以上の時間をかけて挑戦しています。楽しく勉強を進めるうえで、仲間がいたほうが心強いと感じる方もいるでしょう。

合格後も同じ職業として情報交換ができるので、自分の将来によってもよい出会いができる可能性があります。もちろん、無理に誰かと関わる必要はないので、自分にあったコミュニティの活用方法を考えてみてください。

こちらの記事では試験に受かる人・受からない人の違いから、試験に受かるためにするべきことについて詳しく解説しています。あわせてぜひご覧ください。
土地家屋調査士試験に受からない理由とは?おすすめの勉強方法を紹介

効率的に勉強して短期合格を目指そう

土地家屋調査士の試験勉強を効率的に行うなら、予備校の活用は欠かせません。さまざまな予備校がありますが、一例として「土地家屋調査士講座ランキング1位の東京法経学院」の特徴を紹介します。

令和3年度の土地家屋調査士試験の合格者は404名ですが、そのうちの318名が東京法経学院の受講生です。合格者の78%に選ばれている人気の講座であることがわかります。

さらに、東京法経学院には土地家屋調査士の試験に合格した場合、受講料が全額返金されるシステムがあります。資格を取得できたうえ、勉強代もキャッシュバックされるのはうれしいサービスですね。

オリジナルテキストは過去50年分の過去問題を分析した内容になっており、実践に役立つ内容になっています。予備校に通うには受講費の捻出が課題となりますが、これだけのサポートがあれば、十分元が取れそうです。

独学で回り道をするよりも、効率的な方法を選んだほうが結果としてコストカットできることは多いです。資格を取得できれば、それを活かして就職や転職など、あたらしいことにもチャレンジできるでしょう。

これから土地家屋調査士の勉強をはじめるかたは、ぜひ自分に合う予備校を探してみてください。

当サイトでは、「土地家屋調査士の資格取得予備校・通信講座おすすめ人気ランキング」を紹介しています。土地家屋調査士を目指している方は、サイトをチェックしてみてください。

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